金融商品取引法

2008年3月11日 (火)

少人数私募債に関するご質問2

先日の少人数私募債のご質問に追加のご質問がありましたのでこの場を借りて回答します。

【質問】

花野先生 ありがとうございました。

先生のお話はわかりやすく、また適格なので安心だと思いました。

上記規定を遵守すれば、当局への届け出、許可などについては基本的に要件とされていないと考えてよいのでしょうか?

【質問終わり】

【回答】

あくまで、ご質問内容から明らかに分かる範囲内であればという限定をすれば、開示義務はないと考えます。

ただし、実際のところどのように形で勧誘されるのか、そのときの社債券に記載する制限条項はどうなるのかなどが分からないので、これ以上のお答えは致しかねます。

関連条文は、次の通りです。

「少人数向け勧誘」に該当すれば、私募として取り扱われ、開示義務は免除されます(金融商品取引法第2条第3項第2号ロ)。

具体的な要件は、2007年11月24日の金融商品取引法10「少人数向け勧誘」にも書きましたが、詳細は、次の内閣府令でご確認ください。

「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令」第11条

実際、実行される場合には、金融商品取引法に詳しい専門家にご相談されることをお勧めいたします。

【回答終わり】

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2008年3月 6日 (木)

少人数私募債に関するご質問

金融商品取引法の記事に、コメントでご質問を頂きましたので、この場を借りて回答します。

なお、あくまでこの回答は私見ですので、法律行為を実行される場合には専門家にご相談の上、行って下さい。

〔ご質問内容〕

先生の金融商品取引法の解説わかりやすく、一気に読ませて頂きました。 

具体的な例で一つ教えてもらいたいのですが、少人数私募で普通社債を発行して資金を調達しようと考えておりました。3年間、ドイツへ行っていて帰ってきたらこの法律が話題になっておりました。 この法律の施行前後で、少人数私募で普通社債を縁故範囲で調達する場合、どのようなことが変わったのでしょうか? 
300万円を最低額面で49人に声を掛けて集まった資金で1億円超集まる場合、施行後は前に比べてどういう点に気をつけたらよいのでしょう?

〔以上〕

【回答】

ご質問に記載されている事実のみを想定して、それ以外の条件はないものとしてお答えします。

まず、少人数私募債に関しては、証券取引法と金融商品取引法の規定に違いはありません。一般的な留意事項は、2007年11月24日の金融商品取引法10「少人数向け勧誘」に該当すれば開示義務はありません。

http://binpire.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_ffa9.html

なお、1億円以上の調達ですので、次の内容を被勧誘者に書面で告知する義務があります。

・募集または売出しの届出が行なわれていないこと

・有価証券に付された転売制限の内容

老婆心ながら、通算規定により6ヶ月以内に私募債を再度発行して、勧誘人数が50名以上になった場合には、有価証券届出書の提出が必要になります。

以上

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2008年1月15日 (火)

金融商品取引法60

金融商品取引法のこのシリーズの最後の最後です。ちょうど60回で終わりになります。

・刑事罰

 次のような行為に対しては刑事罰があります。

 ①虚偽記載のある書類の提出、虚偽の表示・公表、不公正取引行為、風説の流布・偽計、相場操縦的行為違反等

 これらの実行行為者は、10年以下の懲役、1,000万円以下の罰金が併科されます。

 ②届出義務違反、虚偽記載のある書類の写しの提出、有価証券報告書等の不提出、虚偽記載のある半期報告書等の提出、インサイダー取引違反等

 これらの実行行為者は、5年以下の懲役、500万円以下の罰金が併科されます。

1.両罰規定

 会社の代表者、代理人、使用者その他の従業員が行なった会社の業務に関する違反行為に対しては、会社に対しても罰金を科します。これを両罰規定と呼びます。罰金の金額は、上記の①と②に対応して次の通りです。

 ①7億円以下

 ②5億円以下

2.公認会計士

 虚偽の監査証明をした公認会計士は、虚偽記載の実行行為者または幇助者に該当します。

以上で金融商品取引法シリーズは、終わりです。

 

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2008年1月14日 (月)

金融商品取引法59

今回から、最後の項目である「課徴金・罰則」です。

・課徴金制度の概要

1.違反行為

 金融商品取引法上、課徴金の対象とされる違反行為は次の通りです。

 ①有価証券届出書等の虚偽記載の発行開示義務違反

 ②有価証券報告書等の虚偽記載の継続開示義務違反

 ③風説の流布・偽計の禁止違反

 ④相場操縦行為の禁止違反

 ⑤インサイダー取引の禁止違反

2.賦課手続

 ①まず証券取引等監視委員会が調査を行い、悪質なものは刑事告発し、悪質でないものは、金融庁長官へ審判手続開始の勧告を行ないます。

 ②金融庁長官は、勧告を受け審判手続の開始を決定します。審判手続の結果、虚偽記載等が認められる時は、違反者に対して課徴金納付命令を出します。

3.金額水準(上記①および②のみ)

 1.の①および②の場合における課徴金は次の通りです。

 ①(発行市場):株式は2%、債券は1%

 ②(流通市場):有価証券報告書;300万円または時価総額の0.003%のいずか多い金額

          :半期・四半期・臨時報告書;有価証券報告書の1/2

   

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2008年1月13日 (日)

金融商品取引法58

・公開買付開始等の公告

 公開買付に係る公告は、従来日刊新聞二紙以上に掲載するものとされていましたが、EDINETを利用する電子公告もできるようになりました。

 この結果、日刊紙には公告した旨など最低限必要なことを公告し、詳細はEDINETで公告することにより大幅に経費が削減されます。

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2008年1月12日 (土)

金融商品取引法57

・公衆縦覧の方法

1.公衆縦覧場所

 次の場所で公衆の縦覧に供されます。

 ①関東財務局および管轄財務局

 ②提出会社の本店および主要な支店

 ③証券取引所および日本証券業協会

2.公衆縦覧方法

 上記の場所で次にように公衆の縦覧に供されます。 

 ①EDINETシステムをPCのモニターで

 ②EDINETと専用回線で接続されているPCのモニターで

 ③自社のPCのモニターで

3.行政サービス

 EDINETをインターネットで公開

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2008年1月11日 (金)

金融商品取引法56

1.電子開示手続

 次の開示書類は、すべてEDINETで行なうことが義務付けられています。

 ①有価証券届出書

 ②発行登録書、発行登録追補書類

 ③有価証券報告書、有価証券報告書確認書、内部統制報告書、四半期報告書、半期報告書、臨時報告書

 ④自己株券買付状況報告書

 ⑤親会社等状況報告書

 ⑥上記書類に係る秘密事項の非縦覧申請書

 ⑦公開買付届出書、公開買付撤回届出書、公開買付報告書、意見表明書

 ⑧大量保有報告書、変更報告書

2.任意電子開示手続

 次の開示書類は、EDINETを任意で使用することもできますし、従来どおり紙媒体での提出できます。

 ①有価証券通知書および発行登録通知書ならびにこれらの変更通知書

 ②特別関係者による別途買付禁止の特例の申請書

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2008年1月10日 (木)

金融商品取引法55

今回から電子開示手続です。

・EDINET

 金融商品取引法のディスクロージャーは、電子開示手続によって行なわれます。

 有価証券報告書などの提出者は、インターネットを通じてオンラインで、開示書類を行政当局に提出します。オンラインにより提出された開示書類は、証券取引所または日本証券業協会へ送信され、公衆の縦覧に供せられます。また行政当局もインターネット上で情報開示を行ないます。

 このような情報開示のネットワークをEDINET(Electroic Disclosure for Investors’ NETwork)と呼びます。

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2008年1月 9日 (水)

金融商品取引法54

・提出方法の特例

 大量保有報告書等の提出方法には、通常の方法(通常報告)と、それとは別に「特例報告」という方法があります。

 特例報告が認められる者は、金融商品取引業者、銀行または国・地方公共団体であって、次の要件に該当しない者です。

 ①その株券の発行者の事業活動に重大な変更を加え、または重要提案行為等を行なうことを保有目的としない者

 ②株券の保有割合が10%を超えないもの

 これらの要件を充たした者は、概ね2週間ごとに5営業日以内の報告で良いことになります。

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2008年1月 8日 (火)

金融商品取引法53

・変更報告書

 大量保有報告書の提出者の株券等保有割合が1%以上増減した場合や提出者の氏名・住所、保有目的などに変更があった場合には、変更があった日の翌日から5営業日以内に変更報告書を内閣総理大臣へ提出しなければなりません。

 なお、株券等保有割合の5%超かつ自己の保有株等の過半数を譲渡するような短期大量譲渡は、肩代わりの恐れもあるため、変更報告書に、譲渡の相手方およびその対価を記載します。

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